《MUMEI》

ふたたび、チョンチョン、と肩をつっつかれた。疑いもなく、義仲だ。

わたしはイラッとして、なに?と視線だけで問いかけた。すると彼は、なに探してんだよ、と尋ねてきた。

そんな義仲に、わたしはフンッと鼻を鳴らして、あんたに関係ないわ、と言い放った。
それから、急いでタマゴ探しに戻る。



………しっかし。


ブッサイクばっかりだなー。顔のレベルが低すぎる。


ぜんぶ家柄に持って行かれたってこと?



「だっせー…」



ついつい、ポンッと声に出してしまった。耳聡く、義仲がわたしの言葉をひろう。

「なにが、『だっせー』の?」

「あんたに関係ないって言ってるでしょ?」

イライラしながら小声でそう言うと、義仲は、つれないなぁ、と呟き肩を竦めた。


「関係ないだなんて、パンツ見せてくれた仲じゃん」


おもいっきり地雷をふまれた。


「あれは事故だろうがッ!?」


いきり立つわたしに、彼は美しくほほ笑む。

「照れんなよ」

「バカか、おまえは!!」

間髪入れず言い返すと、義仲はおかしそうにゲラゲラ腹を抱えて笑い出した。


……このやろう!


.

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