《MUMEI》 「だァから『ありがとう』とかとってつけたよーな事──」 「? とって付けているつもりは無いんだけどな。僕はただお礼を──」 「ぁ〜、わあったわあった‥つーか食い終わったんなら行こーぜ?」 「珠季」 「あンだよ」 「今度来た時は僕が──」 「だァから言ったろ‥? アタシは今日の借り返したってだけ。オマエは気にするこたねーの。分かったかよ」 「──どうも」 「それいらねっつってんだろ‥?」 「けど、お礼を言われて嫌な気分になる人はいないだろう?」 「うるせーなぁ‥」 パタパタと手で仰ぎながら 珠季は椅子から立ち上がる。 「ほら、行くぞー」 前へ |次へ |
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