《MUMEI》

「うーし、元気出していくぞ〜!どうした加藤隊員っ!元気がないぞっ?」
とびっきりのハイテンションで玄関前に立つオレ。それに対してタカは
「うぅ…、不安が汁ダク特盛りなんだけど…。」
びびっていた。
「そんな不安を乗り越えて隊員達はまた人間として成長するのだよ!というわけでゴートゥとれじゃー!」

がちゃ
ドアを開けた。

「あ゛〜〜〜。」

ばたん

閉めた。
……おられました。
それも団体さんです。皆さんと目が合いました。揃いも揃ってデッドフィッシュアイであります。

「なんか集まってる!」
玄関正面にはゾンビさん御一行が群れていた。車庫にはそこを通らないといけないのだ。

「ど、どうするの〜!?食されるよ〜!?」
当然、タカはさっきのに輪をかけてびびる。(当社比2倍)
「うーむ、これは囮策を使うしかないな。」「囮策?」
「うむ、まあみておれ。」
そう言ってオレは台所に向かった。そして冷蔵庫の中から豚肉のスライスを取り出す。これは食料選択の際に腐ると厄介なのと、ヤツラを引き寄せる可能性があるため廃棄処分としたものだ。それを適当な棒に吊るし
「ほ〜れほ〜れ。」
居間の窓からだした。そして案の定ヤツラはゾンビまっしぐら。

「よし!この隙に行くぞタカ!」
「うんっ!」
二人で玄関から飛び出し、車庫まで走る。2、3人のゾンビが追いかけてきたがなんとか車内に逃げ込んだ。
「ふぅ、危なかったね。」
「ふふふ、本当に危ないのはこれからかもね?。」
オレはハンドルに手をかけ、キーを回す。
「忘れてたーー!」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫