《MUMEI》

「君‥‥‥またチョコレート味を‥」

「ん? だって美味そーだったし」

「さっきもチョコレート味じゃ無かったか‥?」

「ぁぁ、そーだけど」

「しかもどうして2つ──」

「もう1個はオマエのな」

「!?」

また僕も食べるのか‥?

幾ら何でも‥

2つは無理だぞ‥?

というか珠季‥

一体君の胃袋はどうなって‥。

「お、向こうベンチあんじゃん」

「ベンチ‥?」

訊き返した時にはもう

珠季は僕の隣りからいなくなっていた。

「おーいっ、何ボケッとしてんだー?」

「今行くよ、そう焦らなくても──」

「ぁ‥焦ってねーよ別に‥」

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