《MUMEI》 フンッと鼻を鳴らしたとき、急に義仲がわたしの方を見た。バチッとお互いの視線がぶつかる。あわててわたしが目を逸らすと、義仲はズイッと身を乗り出してきた。 「なに?璃子ちゃん、俺になんか用?」 「べつに、なにも!」 つっけんどんに返しながら、名前で呼ぶな!と心の中で毒づいた。 すると、なにをおもったか、彼は目を細めて柔らかく笑い、呟いた。 「照れんなよ」 頬の筋肉が、ヒクッと痙攣するのを感じた。 −−−−ちっがーうっ!!! ****** 前へ |次へ |
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