《MUMEI》

「アタシのせいにすんなよ」

「別に君のせいにしたつもりは‥‥‥」

無いんだけどな‥。

「溶けんぞーほら」

「──ぁぁ‥」

憂鬱な気分になりながら

アイスクリームを口に運ぶ。

けれど

良く味が分からない。

何とも

決まりが悪い。

「──?」

物音がしたような気がして横を見る。

珠季がいない。

「珠季‥?」

何処へ行ったんだ‥

まだ僕が奮闘している最中だというのに‥。

「‥ん‥」

あの後ろ姿はまさか‥。

珠季‥

また何か食べるつもりなんじゃ無いだろうな‥?

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