《MUMEI》

「この度は誠に‥申し訳ございませんでしたっ‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「と‥とんだご無礼を‥」

「‥もうええから話しかけんといて」

「お嬢様ぁっ‥」





どうしてこうも空回りばっかりなんだよ‥。





お嬢様の為にと思ってやってるだけなのになぁ‥。





「‥ぁ」





起き上がりかけたお嬢様の制服のポケットから、

金色の何か──

さっき俺が見ようかどうか迷ってたやつが落ちて、

床に転がった。





──拾おうとして、

手を伸ばしたら。





「──!!」





ペシッ、

とその手を叩かれた。




「‥いっつう‥」

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