《MUMEI》

「ここらへんアイス売ってるとこ多いよなぁ」

ベンチに戻って来た彼女。

勿論

手にはアイスクリーム。

やはり‥

チョコレート味。

「良く飽きないな‥」

「オマエはもう食わねーの?」

「ぁぁ、僕はもう十分‥」

十分過ぎる位食べた。

それに‥

かなり冷えてきた。

そんな僕の隣りに座って

珠季は余裕で3つ目のアイスクリームに挑んでいる。

見ているだけで

満腹になりそうだ。

「なぁ」

「!?」

話し掛けられるとは思っていなかったから‥

かなり驚いた。

僕のリアクションが派手だったのか──

珠季が一瞬ポカンとした。

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