《MUMEI》 「ふぅ」 ようやく満足したらしい。 珠季は立ち上がると まだベンチに座ったままの僕を促した。 また僕らは歩き出して── 1時間程またぶらついた。 けれど 昼になる頃にはかなり気温が上がってきたものだから── 僕らは一旦 休憩も兼ねてレストランに入った。 食事を済ませて 残っていたグラスの水を飲み干した時。 珠季が 再びメニュー表を開いたものだから‥ 僕は驚いた。 「デザートは別腹‥という事か?」 「んー‥やっぱ何か食いたくなんだよなぁ」 珠季が デザートの写真を幾つか見比べながら呟く。 そして示したのは あろう事か 又してもチョコレートアイスクリームだった。 前へ |次へ |
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