《MUMEI》

「全てが小さくまとまっていて近未来的でクールだ!」

克哉さんってポジティブだなぁ…。

「それで本当はこの向こうに部屋があったりするんだろう」
「ただの…白い壁ですよ…」

珍しそうに僕の部屋を色々と見て回る克哉さんを眺めながら、僕は食事の用意をする。

洋食が良かったかな…それとも日本に来てるから和食でいいのかな。

それにさっき買った日本のワイン、克哉さんが選んだんだけどいいのかな…日本のビールは薄いのどうのって言ってたし…。

そんな事を色々考えていたら、克哉さんは勝手に奥の部屋に入って行ってしまった。

といっても一人暮らしだから扉は開けっ放しなんでそのまま畳の寝室に入ってくと、色々と部屋を見渡してから慣れた手つきで押入れから布団を出して敷いていた。

「な、何で知ってるんですか///」
「なぜって…ベッドが無いから床に布団敷いて寝ているんだろうと思ってな、私は日本で生まれ育っているから知っているぞそのくらい」
「そう…なんですか…」

なんか、見た目とやる事にギャップがあるなぁ…。

克哉さんは布団を敷きながら「ベッドなら狭いかもしれないが、布団なら広いからいいなぁ///」とか何とか言っていた。



「これは?」
「なめこのスパゲティーと…大根おろしのハンバーグです」

あぁ…ちょっと子供っぽかったかなぁ…。

洋食にしたらいいか和食にしたらいいか分からなかったので、悩んだ挙げ句なめたけと大根おろしでパスタにして、買ってきたハンバーグに余った大根下ろしとポン酢で和洋折衷にしてみたんだけど…。

「寿司にケチャップつけて食べるみたいなやつか…」
「克哉さん、そんな事してるんですか…」
「い、いや…緑茶に砂糖入れてる奴もいたが…俺はやらないからな!」

この焦り方…なんとなくやってそうな気がする。

でもそれって、面白いかもしれない。

もしかしたら卵のお寿司にケチャップ付けたら…オムレツっぽくなるのかな…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫