《MUMEI》

武の奴と一緒に学食で待機待するように言われ待ってる間、気持ちが落ち着かなくて水を何度も飲んでいたりして、俺には無いくらいソワソワしていた。

「…落ち着けよ、トイレ近くなんぞ」
「う…うるさいι」

そんな事言われても、さっきのあの電話から一向に返事が無いからこんな事させてしまった自分の責任とか色々、頭の中でそればかりが巡っていた。

ピロピロ♪
「あ、かなたからメール…」
「!」
「かなたが……ほら友達との写真だってよ、何やってんだ」

奴がメールが来たとか言った瞬間、冷や汗が出て心臓がひっくり返ってしまうんじゃないかって程ドキンとしたが、奴から見せられた写真にはかなたが綺麗に飾られていて、それを見てテーブルに突っ伏した。

「…わざとじゃねぇし」
「分かってるよ…」
「楽しんでるよ、大丈夫だっての」

ちょうど始業のチャイムが鳴り、俺は立ち上がって教室に向かおうとしたが、奴は送られてきた写真を見てニヤニヤしていた。

(そんなに…かなたの事好きなのか…)

かなたの恋人が、あいつで良かったのかもしれない。

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