《MUMEI》

「ぅぅ〜腹減ったぁ‥」





エリザベスのヤツ‥

全部食わなくても‥。





「まだそこにいたの? あんた──」

「!! 白‥じゃなくてえっと‥小夜子お嬢様‥」

「別にいいわよ、『白雪姫』でも」

「ぇ、ぁ──‥ハイ‥」

「──何かお困りのようですわね──」

「ぉわあッ閖子お嬢様っ!?」





いつからいたんすか‥!?





「宜しかったら、これ──如何ですこと?」

「へ‥」





重箱‥?





「わたくし、あまり食欲がなくていつも残してしまうんですの。それで──、?」





百合子お嬢様が、

キョトンとした。





俺が、

ガッチリと手を掴んだからだ。

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