《MUMEI》

安西と付き合うことになって二日目。

「付き合うことになったけど、安西は何したい?」


「え……考えてませんでした。」


「だめだめじゃん、あんなにスキスキ言ってたのに」


「言わないと先輩が忘れてしまうからでしょう!そんなに言ってませんし……先輩ニブいし、両想いになれるとは考えてなかったんです。」

侮辱されてるみたいだ。


「一応付き合ってるのに、放課後一緒に帰るなんていつもと変わらないな。」


「先輩受験生だから忙しいじゃないですか。健全な交際ですよ。俺には先輩とこうして他愛ない話してる時間が凄く大事です。」

安西……こんなにかっこよかったっけか?


「……安西変わった?」


「唐突ですね。俺は俺のままですよ。」

安西前髪少し伸ばしたからかな。
雰囲気が違う。


「今の髪形似合うよ。」


「……ありがとうございます。ついでに、会話のキャッチボールしましょうよ。」

……キャッチボール!


「キャッチボールしたい?」


「……先輩がお望みなら。」

あれ、あまりノリ気でないのか?

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