《MUMEI》
興ざめ?
「で、さっきの続き聞かせてよ!」

授業が終わると同時に、加奈子は早速聞いた。

「あのね…っとその前に、加奈子って吸血鬼とかって信じる?」
「吸血鬼?」

いきなり奇天烈な質問をされて、加奈子は眉を潜める。

「信じてるわけないじゃん!あんなモノただの迷信に決まってる。」


馬鹿馬鹿しい。
そういうくだらない話嫌いな事知ってんじゃん?


怪訝な顔をしている加奈子に気付いたのか、美雪はすぐに話の続きをした。

「だよね?私も勿論信じてなかったよ!でも今朝ニュースで言ってたんだよ…」

「吸血鬼が出ましたって?」
加奈子は鼻で笑いながら茶々を入れた。

「もしかして、ビッグニュースってコレ?」
「うん、まぁ…」

美雪は加奈子の冷めた態度に、自信なさ気に返事をする。


全く、興ざめもいいとこだ。
あ〜あ期待して損した。


「もう!加奈子焦り過ぎ。」
美雪は加奈子の心の声が聞こえていたかのように、ブスッとしながら言う。
いや実際は、顔を見れば誰だって加奈子の心情は読み取れる。

加奈子はすぐ顔に表れるタイプの人間だ。

「ここからが本題なんだから!」

美雪に言われ、加奈子の目が輝いた。

「それ、早く聞かせてよ〜!」
「OK。あのね…」

美雪はそのニュース(吸血鬼)の内容を話し始めた。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫