《MUMEI》

「──ええと‥」

携帯電話と財布は持ったと‥。

後は何かいる物‥‥‥

懐中電灯は流石にいらないか。

ふと

机の上の時計を見る。

【20:45】

「!!」

まずい‥

急がないと遅れてしまうじゃ無いかっ‥。

「あと15分‥」

──慌てて玄関を出る。

河原までは

急げばギリギリで間に合いそうだ。

けど──

時間帯が夜という事もあって

なかなか‥。

‥そうだ‥

珠季に連絡を‥。

「‥‥‥‥‥‥‥」

いや‥

間に合う筈だ。

‥間に合わせよう。

そう決めて

僕は河原の方角へと走った。

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