《MUMEI》

ふと 波の音が 耳にはいった。

目を 外にやると 波は静かに 揺れ
それは 変わらず 繰り返し繰り返し
なんだか それは
人が 産まれては 死に
エッチをしては ティッシュで ふきとり
お金は 稼いでも稼いでも
足りず
満たされず ふらふらしている 自分と 重なった。

ずっとずっと 何も 変わらない
私が 泣き叫ぼうが 気が狂っても
人は 何も 変わらない
波のように ただ 揺れては 消えるだけだ――。


―ふいに
彼の手が 私の 頬に触れた。
びっくりして 彼を見ると
戸惑った顔で 私を 見ている。



「ゴメン。自分の事しか 考えてなかった。
ほんと ゴメン。その‥
泣かないで‥。」

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