《MUMEI》

すす...


(うっ…そ…)


麻倉はジャンプシュートのモーションの途中に、


右手に持っていたボールを左手に持ちかえる。


ヤマトのディフェンスを交わし、


「ナイッシュー!!」


シュートは決まる。


5対4。


恭介も油断していた。


普段なら止められたはずのシュートも、


ヤマトが抑えるであろうという安心感と、


そして驚きから反応が遅れた。


(あんなんありかい…)


驚いていたのは恭介だけではなく、


海南クラブ...


いや、


会場全体だった。









「すげ〜!!
何か空中で色々やってたぞ!!」


ざわつく会場。

















そんな中、


翔太は冷静だった。


(…1クロス2平行はおとりか。


それとも保険?


わかんね〜けどさすがだな。


やっぱ上手ぇわ。


…けどな?


こっからは俺の番。


もうお前は俺の作戦の中にハマりつつある。


次のプレーで証明してやるよ…。)

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