《MUMEI》

ハーフタイム。


「くそ!!」


「…最後の4点は余計だったな。」


「どうにかしてあいつを止めなきゃ勝ちはね〜ぞ。」


(そんなことわかってる…
けど、
物理的に追い付けね〜んじゃ話になんね〜よ…。)


「…」


沈黙の時間は短かったが、
その時間がさらにプレッシャーをかける。


そんな中最初に口を開いたのは、


「大丈夫。」


クロだった。


「あいつの速攻は僕が止めるよ。」


「…クロ。
大丈夫なのか?」


「ん。


もう平気。


いっぱい休んだしね。」


「…」


その言葉に励まされる者はいなかった。


なぜなら、


クロも三島の速攻に追い付けていないという事実を見ていたからだ。


「皆何黙ってんの?


後半勝ちにいくんだよ?


ホラ翔太。


気付いたことあるならどんどん言ってかないと!!」


「え?


あ…


そうすね。


正直…


泉さんからロングを決めるのは難しいと思います。


うちにはヤマトさんと猪狩っていう突破できる両45がいるんだし、


もっとインを攻めながら1対1を仕掛けた方がいいと思います。」


「…」


「だってよ?


皆わかった?


先輩たちもいいすね?


ドンドン仕掛けてきましょう。」


「…おう。」


「テンション低!!
なんで皆そんなに…」


「うるせぇ!!」

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