《MUMEI》

「なぁ」

「ん‥?」

「いんや、呼んでみただけ──」

胡座から体育座りに姿勢を変えて

珠季はそう呟いた。

「『静瑠』ってさ──」

「何だい‥?」

「何かいーよな」

「いい‥‥‥?」

「アタシ的には結構いー感じだぜ?」

「──そうか‥?」

「使えそーだしな」

「使えそう‥‥‥?」

「前オマエ言ってたろ、将来ケッコンしてどーこーって」

「ぁぁ‥」

「だから──どーかと思って」

「ええと‥‥‥それはどういう意味だい‥?」

「つ・ま・り・は──名前な」

「誰の──」

「子どもの」

「!?」

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