《MUMEI》

「でもさ」

「ん‥?」

「分かっちまったらつまんなくね‥?」

「──そうかな」

「つーか、自分はこーだっつー風に決めちまうのも何かな──」

「フ‥、そうかも知れないね」

「──だろ?」

「ぁぁ」

君の言う通り──

決めてしまうのはつまらない。

僕らには

それぞれ色んな面があって──

だから

面白いんだと──

彼女はそう言いたいんだろうな。

「──静瑠」

「?」

「アタシの事──どん位好き‥?」

「‥‥‥ぇ」

予想外の質問に

僕は一瞬‥‥‥

ぃゃ

数秒間動きを止めた。

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