《MUMEI》
新しいお隣さん
数日間、空室だった左隣に新たな入居者が来たのは、春休み初日の事だった。


「…マジか」


俺は大家から、今日引越して来るのが外人の女の子で


来月から、俺と同じ吾妻高校で、一年として通う事を聞いていた。


男が比較的に多いこのアパートで、女が来るのにも驚いたが


(まさか…)


俺は、先程から聞こえる引越し業者と隣のやり取りの中に、聞いた事のある声があり、嫌な予感はしていた。


[じゃあ、隣に挨拶に行こう]

[おー!]×3


隣にいた人間達は廊下に出たらしく、より一層大きな声に、俺は、オロオロしていた。


ピンポーン!


[…はい]


扉を開けた俺の前には


見覚えのありすぎる茶髪に緑の目の男と


金髪・青い目の三人が立っていた。


(兄弟、か?)


三人


男二人と、女一人は顔立ちがどことなく似ていた。


[紹介するね、愛しのエイミーと、その兄と弟]

[…よろしくお願いします]


俺の部屋のチャイムを鳴らした頼の言葉に、エイミーが続き


他の二人も頭を下げた。


[よろしく。…本当に、彼女、ここに、俺の隣に住むのか?]


挨拶しながらも、俺はまだ信じられなかった。

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