《MUMEI》 . 自然とわたしの耳がダンボになる。 「確かお父様が、一族経営の社長なんでしょう?」 「それじゃ、将来は社長の椅子を約束されているんだね」 「あちこちに別荘があるんだって〜。自宅もめっちゃ広いらしいよ」 「すごーい、セレブ〜」 ……。 顔良し。頭良し。スタイル良し。家柄良し。 生徒会長ということは、生徒のみならず、教師たちからの人望も厚いはず。 しかも、社長ジュニアで将来も約束されてるなんて……。 カンペキじゃん!! わたしの黒い心に、メラメラと火がついた。 ステージで挨拶をつづける彼を見つめ、ニヤリと笑う。 ………金のタマゴ、見つけたっ!! 神さま、ありがとぉ〜!!! −−−このときはまだ、気づかなかった。 わたしの隣にいた義仲が、 おもしろそうに、有頂天のわたしを見つめていたことに………。 . 前へ |次へ |
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