《MUMEI》

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入学式のあとから、わたしの玉の輿への試練は始まった。


−−松本 直樹。

17歳。水瓶座。血液型は、AB。

蓬莱学園高等部3年A組。
生徒会会長で男子テニス部部長。
父親は一族経営で有名な大手不動産会社代表取締役。
両親と一緒に、高級住宅街の戸建てに住んでいる。
趣味は読書と、小さい頃から習っているピアノ。


わたしが必死に集めた松本先輩のデータだ。

どれを取ってもカンペキ。非の打ち所がない。


将来のダンナ様としては、上等すぎる。



わたしは意気揚々と、廊下を歩いていた。

目指すは、生徒会室。


松本先輩にお近づきになるため、わたしは命の次に大切な睡眠を削ってまで考えた。


……生徒会役員に、絶対なる!!


1年と3年では、接点もあまりない。平々凡々と毎日を過ごしていたのでは、松本先輩との間に、なにも生まれないのだ。

そこで、生徒会に目をつけた。

雑用でもなんでもいい。とにかく役員になれば、自然と松本先輩との接触が多くなる。



そして………。



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