《MUMEI》 「ふーん?」 とだけ言って それ以上彼女は訊いてこなかった。 また 沈黙。 でもそれは そんなに長くは続かなかった。 直ぐに彼女は また話し始めたから。 「──明日から、さぁ」 「ぁぁ」 「新学期だよな」 「何か気になる事でも?」 「‥‥‥いんや」 彼女も恐らく── 僕と同じ事を心配しているんだろう。 「大丈夫さ、運に任せよう」 「適当だなぁオイ‥」 「僕は──予言者でも占い師でも千里眼でも無い──だから、絶対にこうだ、という断定は出来ない。けど、これだけは補償するよ」 「‥何を」 「悪いようにはならない」 「‥‥‥何かうさん臭いけど」 「信じてごらん。そのようになるから」 大丈夫── たぶんね。 前へ |次へ |
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