《MUMEI》

「ふーん?」

とだけ言って

それ以上彼女は訊いてこなかった。

また

沈黙。

でもそれは

そんなに長くは続かなかった。

直ぐに彼女は

また話し始めたから。

「──明日から、さぁ」

「ぁぁ」

「新学期だよな」

「何か気になる事でも?」

「‥‥‥いんや」

彼女も恐らく──

僕と同じ事を心配しているんだろう。

「大丈夫さ、運に任せよう」

「適当だなぁオイ‥」

「僕は──予言者でも占い師でも千里眼でも無い──だから、絶対にこうだ、という断定は出来ない。けど、これだけは補償するよ」

「‥何を」

「悪いようにはならない」

「‥‥‥何かうさん臭いけど」

「信じてごらん。そのようになるから」

大丈夫──

たぶんね。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫