《MUMEI》 ‥‥‥だけど。 ‥来ない。 もうそろそろ 来てもいい頃なのに。 まさか── 違う番号なんだろうか‥? だとしても 僕の隣りは開いている訳なんだから‥ 女子が1人来る筈だ。 それが どうか珠季であって欲しい。 神頼みなんて── 滅多にしないけど‥ 僕は意識してかしないでか 願っていた。 大丈夫だと思っていながらも‥ 不安なんだ。 「───────」 くじの紙を握り締めて 心の中で呟く。 ──珠季と隣り同士になれますように。 そう 何度も何度も繰り返していた。 前へ |次へ |
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