《MUMEI》

そろそろ‥

移動が終わる頃だ。

まだ

僕の隣りには誰も来ていない。

やはり‥

誰か違うクラスメイトなんだろうか‥?

また不安になりかけた

その時だった。

ガタン‥

と隣りに机が置かれる音がした。

「──よっ」

軽く手を上げて

笑い掛けてきた女子。

「‥珠季‥?」

珠季だ。

「なーにポカーンとかしてんだよ、悪いようにはならないとか言ったのオマエだぜ?」

「‥27番‥なのか‥?」

「信用ねーなぁ‥、ほら」

珠季はポケットに入れていたくじの紙を広げて

僕の目の前に突き出した。

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