《MUMEI》

「拒否ってたじゃん」

「あまりに君が仕掛けてくるものだからついね──。でも本当に楽しかったよ」

「ふーん‥」

「去年の2学期からずっと──君が僕に告白するまでの間、霖堂には負けるもんかと──そればかり考えていたんだ」

「そんなに闘志メラメラ燃やしてたのか‥?」

「それを悟られたくなかったから──わざとああいう態度を取っていた訳なんだけどね」

「アタシは結局いっぺんも勝てなかったんだよなぁ」

「今は君が勝っているだろう?」

「‥? いつアタシがオマエに勝ったよ」

「追いかけっこだとか──早食いだとか」

「早食いって何だよ、そんな勝負した覚えねーぞ‥?」

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