《MUMEI》

数秒後聞こえてきたのは

「──いよォーしっ、勝ったぁ!」

勝利の雄叫び──

正にそれだった。

「へっ、どーだよ?」

得意げに拳を掲げて見せる珠季。

勝ち誇った表情。

「ぁぁ──おめでとう」

「ぇ」

「ぇ?」

「‥今オマエ何つった‥?」

「『おめでとう』と」

「‥何で」

「君が勝ったから」

「───────」

「さぁ、ゲームは終わったし──お昼に行こうか。‥?」

「──大好きだぁーっ!」

突然

珠季がフェンスから身を乗り出して叫んだ。

「──ふぅ、スッキリした」

「‥‥‥珠季‥?」

「ほら、オマエもやれよ」

「‥!? 僕も今の台詞を叫べというのか!?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫