《MUMEI》

「そーだけど?」

「なッ‥無理強いは止してくれ‥」

「絶対しろなんて言ってねーけどなぁ?」

悪戯っぽい笑み。

不敵で‥

それでいて愛嬌がある。

「‥シズル?」

「ぇ‥‥‥ぁぁ」

何だか‥

空返事のような感じになってしまった‥。

「──しょーがねなぁ」

諦めたのか

珠季は扉に向かって歩き出す。

けれど

僕がまだ動かないものだから

些か機嫌を損ねたらしい‥。

「早く来いよほらぁ」

──途端に。

「!!」

引っ張られる。

そして

駆け出す。

この先──

ずっと2人で一緒に

時を過ごしていけたら。

それだけで

僕は幸せだ。

──君もそう思うかい?

そうだといいな。

普段はなかなか言えないけれど──

君の事が大好きだ。

忘れないでくれよ?

僕は君を

本当に愛しているんだからね──。

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