《MUMEI》

式の間中‥

ずっとアイツに振り回されっ放しだった。

やる事自体は

別にそんな大した事じゃなかったんだけど‥

何かとアイツがアタシの事振り回すもんだから‥。

指輪交換したら

いきなりまた姫抱きにしてきやがって‥

ケーキ切るのだって‥

いちいち計算がどーのこーのって‥。

「──‥はぁ‥」

「お疲れ様」

「疲れさせたのはどこのどいつだよオイ‥」

「それは失礼──」

「‥別に」

いつもの事だしな‥。
「──珠季」

「ん」

「有り難う」

「‥‥‥は‥」

「もう1度言うよ──有り難う」

「‥‥‥そりゃ‥どーも‥」

「──フ‥、今日は素直だね」

「なッ‥何だよそれっ」

調子に乗りやがってぇ‥。

「今思ったら──」

「‥ん」

「僕らは運命的に──結ばれる事になっていたのかも知れないね」

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