《MUMEI》 俯きがちに、ズカズカと走っていると。 −−−−ドンッ!! 「フゴッ!!」 こんどはすれ違いざまに、だれかとぶつかってしまった。 立て続けにくらった鼻への打撃に、わたしはこんどこそ悶絶する。 痛ってぇぇぇ〜!!!!! ………最低っ!! 鼻を押さえて、わたしは顔をあげ、こみ上げる怒りにまかせてすごんだ。 「ふざけんな!!まえ見て歩け、タコ!」 言ってしまってから、わたしは青ざめた。 なぜなら、わたしの目の前に立っていたのは、他でもなく、松本先輩そのひとだったから−−−−。 . 前へ |次へ |
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