《MUMEI》

「サクヤっ、おはよ♪」




「おはよ〜」




 私の親友──ミドリは、翡翠という巫女だった。 今は巫女じゃないけど、強い霊感がある。




 ミドリは、少しだけなら前世の事を覚えてるみたい。




「ねーサクヤ、聞いた?」




「何を?」




「何か今日、転校生来るらしいよ?」




「転校生‥?」




「うん、男子だって」




「男子かぁ‥」




「どうかした?」




「ううん、取りあえず学校行こっ」




 『転校生』と『男子』という言葉が、少し心に引っ掛かっていた。

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