《MUMEI》 段々と遠くなって行く賢ちゃんの背中。 追いかけたくなる衝動を必死に堪えた。 ねぇ、賢ちゃん……。 “冗談や”って振り向いてよ。 笑ってよ。 ねぇ………。 急に膝に力が入らなくなって、その場で膝まついてしまった。 俺達の仲って、こんなに脆いものだったの? 目尻から、熱いものが込み上げて来る。 俺達は完全にバラバラになってしまった。 そう認識すると、堰を切ったように止めどなく涙が溢れてくる。 「っ……俺等はっ……もう二度とっ……!!」 会えないのか? “さようなら” 俺が最後に言った、賢ちゃんへの言葉。 なんて残酷な言葉を掛けてしまったんだろう。 他にあっただろう? 賢ちゃんも、俺自身も傷つかなくていい言葉が……。 ん? ……俺自身? 結局俺は、何がしたかったんだ? 前へ |次へ |
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