《MUMEI》
もしも、夢なら
.

しかし……………。




なぜ、松本先輩はハンカチをわたしに差し出したのか。

不思議におもって、彼の顔を見上げると、彼は目を逸らし、気まずそうに呟いた。



「鼻血……出てるよ」



……。

…………。

…………………へっ??



言われて、初めて気がついた。

わたしの鼻から生暖かいモノがボタボタと垂れていることに。



……………うっ!!!



うっそォォォォォォォォッ!!??


うそ、うそ、うそ!!
鼻血って…なんで、なんでっ!?

お願い、夢ならさめてぇっ!!


松本先輩は、ちらっと硬直しているわたしを流し見て、ふたたび顔を逸らす。


「良ければコレ、使っていいから。そのままじゃ、…その……大変でしょ?」


ゴニョゴニョと言葉をにごす。


.

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