《MUMEI》 トボトボ歩きはじめたわたしの隣に、松本先輩が寄り添った。 「一緒に行くよ」 えっ!! 「そこまで、ご迷惑かけるわけには…」 わたしは恐縮した。勝手にぶつかって、鼻血吹いて、ハンカチを貰って、あげく医務室まで付き合わせるなんて。 いくらなんでも、カッコ悪すぎ。恥ずかしさで悶え死にそうだ。 しかし松本先輩は首を横に振った。 「君に鼻血を吹かせた原因は、僕にあるんだ。医務室に連れていくのは当然だろ?」 「…先輩」 鼻血を垂らしたまま、胸がキュンとなる。 なんて男前なの………。 …………松本 直樹。 やっぱり、あなたがわたしの《タマゴ》よっ!! 絶対、ぜったい、手に入れてやる!! ****** 前へ |次へ |
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