《MUMEI》

トボトボ歩きはじめたわたしの隣に、松本先輩が寄り添った。


「一緒に行くよ」


えっ!!


「そこまで、ご迷惑かけるわけには…」


わたしは恐縮した。勝手にぶつかって、鼻血吹いて、ハンカチを貰って、あげく医務室まで付き合わせるなんて。


いくらなんでも、カッコ悪すぎ。恥ずかしさで悶え死にそうだ。


しかし松本先輩は首を横に振った。


「君に鼻血を吹かせた原因は、僕にあるんだ。医務室に連れていくのは当然だろ?」


「…先輩」


鼻血を垂らしたまま、胸がキュンとなる。


なんて男前なの………。




…………松本 直樹。


やっぱり、あなたがわたしの《タマゴ》よっ!!


絶対、ぜったい、手に入れてやる!!





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