《MUMEI》 ヒミツの医務室. 医務室に行くと、保健医がわたしと松本先輩を迎え入れた。 わたしは、固まる。 ………何て言うか。 フツー、『保健のせんせい』って、ちょっとエロそうな若い女のひとが王道だよね…………。 ………なのに。 その保健医は、わたしの顔を見てチッと舌打ちした。 「なんだ、このガキ。汚ねーツラして」 今となっては懐かしい、チリチリのアイパー。ずんぐりむっくりな体型。レンズが丸いサングラス。保健医のくせにシケモクを吸っている始末……。 その出で立ちの中で、彼が着ている白衣だけが、ゆいいつ保健医らしかった。 彼はジロジロとわたしを見つめ、荒々しくため息をついた。 「鼻血なんか、ほっときゃ止まるだろうよ!ムダな仕事増やすんじゃねぇ!!」 ……ただの、チンピラじゃん!! . 前へ |次へ |
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