《MUMEI》

渡辺先生の、あまりの形相に、背筋が凍り付く。

「いっ、1年E組!片倉 璃子っ!!」

素直に答えると、なぜか渡辺先生はいっそう不機嫌に、あぁっ!?とメンチ切ってきた。

「1年E組だとぉ!?」


………ひィッ!!


ガタブルと震えていると、渡辺先生はチッ!!と聞こえよがしに舌打ちをして、わたしのクラスと名前をノートに殴りがきした。

「おまえで二人目だぞ!面倒なクラスだな!!」


…………二人目?


なんの話?



キョトンとしていると、医務室の端っこに、ベッドが並んでいるのであろう、白いカーテンの向こうがわから、うるさいな〜…とこれまた不機嫌そうな男のくぐもった声が、聞こえてきた。

わたしは自然と、ベッドの方へ視線を向ける。

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