《MUMEI》 渡辺先生の、あまりの形相に、背筋が凍り付く。 「いっ、1年E組!片倉 璃子っ!!」 素直に答えると、なぜか渡辺先生はいっそう不機嫌に、あぁっ!?とメンチ切ってきた。 「1年E組だとぉ!?」 ………ひィッ!! ガタブルと震えていると、渡辺先生はチッ!!と聞こえよがしに舌打ちをして、わたしのクラスと名前をノートに殴りがきした。 「おまえで二人目だぞ!面倒なクラスだな!!」 …………二人目? なんの話? キョトンとしていると、医務室の端っこに、ベッドが並んでいるのであろう、白いカーテンの向こうがわから、うるさいな〜…とこれまた不機嫌そうな男のくぐもった声が、聞こえてきた。 わたしは自然と、ベッドの方へ視線を向ける。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |