《MUMEI》

「信じてくれない、か──」

「記憶がないから‥余計そう思うんじゃないかな‥」

「何でなんだろね──」

「‥忘れちゃうものなのかな‥前世の事って‥」

「あたしは──ちょっとだけど覚えてるよ? 巫女だった頃の事‥」




 慰めるように、ミドリが言った。




「落ち込んでてもしょうがないし──記憶を思い出させる方法、考えようよ」

「‥うん‥」




 ──ミドリの言う通りだ。 こんな風に落ち込んでいたって、菜畑君の記憶が戻る訳じゃない。




 考えなくちゃ。 記憶を、取り戻す方法を。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫