《MUMEI》
プロローグ
卒業証書授与。6学年1組安崎 佳奈美」
「はい」
小学校の卒業式。
みんな泣いたり、名残おしく体育館をみたり。
そのなかで私は、一人卒業とは違う悲しみでむねがいっぱいだった。
「俺とる〜!!小林、どけよ〜!!」
写真をとる男子達。
泣きながら、別れを悲しむ子達。
二人で最後のプリクラをとりに行こうと約束する女子。
私は、その中で写真をとっている男子達の方に目をやった。
笑い合いながら、写真をとるカップル。
そこで私の目は止まった。
「ガン!!」
力の抜けた私の手から、
卒業証書の入ってる筒が鈍い音を立て落ちる。
そのまま、私は二人を見つめた。
あぁ。そうか・・・。
早く気がつけばこんな事にならずに済んだのに。
もっと早く。早ければ・・・。
「ぽたっ」涙がこぼれ落ちる。
涙は卒業証書の筒を濡らすと、下に落ちていく。
そのまま涙が止まることはなかった。
「ちょっと〜。佳奈美?どうしたの!?」
友人の萌佳が言う。
「佳奈美・・・。無理しないでよ・・・。」
萌佳のやさしい言葉。
私の小学校の卒業式はこんなふうに終わったんだ・・・

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