《MUMEI》

今でも、

その気持ちはずっと心の中にある。





お金も、

出世も関係なくて。





ただ、

お嬢様に幸せになって頂きたくて。





だから、

その為なら俺──

何だってする。





嫌われたって、

鬱陶しがられたって、

お嬢様には、

絶ッッ対幸せになって頂きたいから。





「──弘斗」

「ん?」

「ありがとなっ」

「どー致しまして♪ これほら、持っときな。作り方忘れねーように。──ぁ、後これケー番な」

「おお。つーかさ、いつ変えたんだ?」

「先週機種変したんだけどさぁ、うっかり忘れてたっつーか」

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