《MUMEI》

煌さんは、僕をじっ
と見つめた。


『あなたが、二人目
ですね…因みに初め
てはカイル王子の母
君ですね。』


非常に珍しい事です
と煌さんは言った。


『ちょっと失礼?』

そう言って煌さんは
僕の首筋に顔を近付
けた。


『ひゃっ!』


『あーすみません
驚かせるつもりでは
無くて…

ふ〜ん成る程…この
香りですね、魔王様
が手離したくなかっ
たのは…

ジェシカ様と同じ
香り…』

そう言って煌さんは
笑った。


『…ジェシカ様?』


『はい、魔王様の第
4妃…つまりカイル
王子の母君ですよ…

魔王様の一番愛した
女性ですね…』


『あ…そう言えばそ
んな事を言ってまし
たね、魔王様が…』

僕の言葉に煌さんは
少し驚いたように聞
いて来た。


『魔王様がジェシカ
様の話を?御自分か
ら…ですか?』


『あ…はい。』


煌は…ラルムを改め
て見詰めた。

この平凡な青年に…
あの魔王様が、そこ
まで心を許すとは…


まさか…本気ですか
魔王様…。

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