《MUMEI》
迷子
『ねぇ、ケイン?
これって何に使う物
なの?』

左手でケインの服を
引っ張る。


『おいっ!』


聞きなれない怒鳴り
声にびっくりして横
を見る。


『あっ…』

自分がケインだと思
い込み引っ張ってい
た人物が別人だと判
った。


『ご…ごめんなさい』
平謝りでその場を離
れた。


…あれ?ケイン?
改めて周りを見回す


『居ない…嘘っ!』

いつの間にか周りに
は沢山の人垣が…

自分が右から来たの
か、左から来たのか
さえ記憶にない…


もしかして〜僕は
迷子なのか?
どうしよう、この
ままでは宿にも帰
れない…
呆然と立ち尽くして
いた。


『お嬢さん、1人か
な?』

突然、目の前の男性
に声をかけられる。


…え?僕の事?男の
眼差しは僕を捉えて
いた。

…お嬢さんって…


『おじさんと遊ばな
いかい?サービスし
てくれたらお金は弾
むよ?』


髭を撫でながら男性
はニヤリと笑った。

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