《MUMEI》

『サービス?』

…何かの商売人と間
違えているみたいだ


『あの、僕…じゃな
くて私は…道に迷っ
ていて、連れを捜し
てるんで…遊ぶ暇は
ないんです。』


『まあ、いいじゃな
いか、後で一緒に捜
してあげるから…』


肩に手を置かれ手を
引っ張られる…


『あっ止めて下さい』


思いがけず強い力で
引っ張られヨロヨロ
とよろめく。
男性は待ち構えた様
にガシッと腰に手を
回す。


『お互いに楽しもう
じゃないか?祭なん
だからさ…』


『だから…遊んでる
暇は私には無いんで
す…別の人に…』


『んー焦らすね、君
余計気にいったよ。
中性的な魅力がある
よ…少々高く出して
も良いよ、君なら…』

『あの、私は商売人
とかじゃないので…
ごめんなさい。』

と言っても一向に手
を離してくれない

それどころかきつく
抱き締められる始末


『あの実は…』

…実は男なんだと告
げた方がいいのか?
と口を開き掛けた時
男性の顔が歪んだ。


『痛っタタタッ!!』

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