《MUMEI》

「さあラルフ、始めるぞ。」


グレイドは一瞬、俺を睨み付けた後ラルフ、そう呼ばれた狼を見やった。


「俺としては…隣りにいる青年とお手合わせ願いたいのだが……。

まあいいだろう。」


ラルフはグレイドの方へ向き直った。


「あの……これから何を…?」


「闘う。」


「はい?」


今なんておっしゃいました?


するとラルフが口を開いた。


「この家の仕来たりはな、家に入る前に必ず俺と闘わなくてはならないんだ。」


「ええっ!?」


「勝者だけが中に入れる。」


「またはラルフに気付かれないように入るかだ。」


グレイドが俺を睨み付けながら言った。


だからグレイドは……あんなに慎重だったんだ。


「うぅ……すみません。」


「全くだ。」

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