《MUMEI》 「さあラルフ、始めるぞ。」 グレイドは一瞬、俺を睨み付けた後ラルフ、そう呼ばれた狼を見やった。 「俺としては…隣りにいる青年とお手合わせ願いたいのだが……。 まあいいだろう。」 ラルフはグレイドの方へ向き直った。 「あの……これから何を…?」 「闘う。」 「はい?」 今なんておっしゃいました? するとラルフが口を開いた。 「この家の仕来たりはな、家に入る前に必ず俺と闘わなくてはならないんだ。」 「ええっ!?」 「勝者だけが中に入れる。」 「またはラルフに気付かれないように入るかだ。」 グレイドが俺を睨み付けながら言った。 だからグレイドは……あんなに慎重だったんだ。 「うぅ……すみません。」 「全くだ。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |