《MUMEI》

すぐさま彼の襟首を掴み、グイッと引き寄せた。


「ちょーっと顔がイイからって、調子のってんじゃないわよ!」


大きな声に、義仲はあわててわたしの口を手でふさいだ。また、彼がわたしに覆いかぶさるような恰好になる。

わたしはゾッとした。


……こいつ!

本気!?

本気で、こんなところで、ヤッちゃうつもりなのっ!!


これじゃ、マジで、冗談ヌキの、




リアル・高○教師!!




………って、ちがうじゃ〜ん!どっちも生徒じゃ〜ん!!(←錯乱中)


「むーっ(離せーっ)!!」


身のキケンを感じたわたしは、必死に彼の腕から逃れようと暴れまくったが、ムダだった。
びくともしない。なすすべなし。


義仲の顔が、グッと近づいた。

耳元に、なやましげな、彼の吐息がかかる。


−−−瞬間。

嫌がるわたしの意識とは裏腹に。



…………ゾクッ、ゾワゾワッ!!



妙に、感じてしまったのだった。








「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!!!!!!」








−−−−バッチーーーンッ!!!



わたしの悲鳴と、景気の良いビンタの音が、昼下がりの学舎に響き渡った…………。




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