《MUMEI》 ボールは綺麗な弧を描き、ゴールポストぎりぎりの内側を飛んで行く。 う、上手い!! 振り返ると、確信に満ちた相沢智哉(アイザワ トモヤ)の姿があった。 当然ゴールするだろうと踏んでるためか、その表情からは余裕な姿勢が伺える。 だが、残念やったな。 密かにほくそ笑んだ。 こっちのキーパー、舐めてもらっちゃあ困るぜ? ゴールするかに見えたボールは、寸前で止められた。 「ナイス、一希!!」 一希がキャッチしたんや。 さすがは一希やな。 物凄い洞察力をしてやがる。 一希はキャッチしたあと、誰かを探すように辺りを見渡しだした。 ん、なんや? そう思って彼に近付いた。 一希は待ってましたとばかりに俺に目配せする。 ん、どう言う意味や? 訳が分からずにいると、彼は前方を顎で示した。 はぁん、なるほどな。 おーけぃ、いっちょぶちかましたろうやんけ!! 俺は一希にウインクすると、そそくさと元の位置へ戻った。 前へ |次へ |
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