《MUMEI》

わたしは心の中で舌打ちして、昌平の顔をニッコリして見上げる。

「ごめんなさい、中山君。ノート書きづらいから、ちょっと離れてほしいんだ」

「ヤダ〜!璃子ちゃんの身体、柔らかいしいい匂いするから、こうしてたいの〜!」


………このエロガキ!!

下手に出れば、調子こきやがって!!


怒りのボルテージが、グゥゥ…ンと急上昇する。


昌平はわたしの怒りに気づかずに、よりいっそう顔を近づけてきた。

「医務室から空き教室に移動して、ふたりでナニしてたのさ〜?」

ウザったい昌平の、ねぇねぇ!と甘えた声に、わたしもいい加減、我慢の限界に達したとき。



−−−ゴスッ!



「ブヘッ!」



鈍い音とともに、昌平の不気味な短い悲鳴がすぐ傍から聞こえ、わたしはおもわずのけ反った。

.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫