《MUMEI》
本領発揮!!
そして、この美貌を武器に、

玉の輿にのるため、

わたしはこの学園に入学したの!!



………正直、それどころじゃなくなっていたけれどね!!



でも!!


ターゲットは、もう、見つけてある。


それは………。




「ねぇ、君、誰か待ってるの?」


ひとりの男の先輩がわたしに声をかけてきた。
わたしは髪を耳にかけながら、ええ…と頷く。

「松本先輩を、探してて…」

ボソッと呟くと、彼は心なしかがっかりしたような顔をし、呼んであげるよ、とわたしに言って、教室の中へ向かって、松本ォ!!と叫んだ。

「女の子、待ってるぞ!!チクショー!」

叫び終えると、彼はどこかへ走り去ってしまった。


………またひとり、不幸にしてしまった。

なんて、罪なわたし……。


自分の美しさに酔いしれていると、松本先輩がわたしのところまでやって来た。



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