《MUMEI》

「…朝から何やってるんですか///お腹に子供がいるのに…」
「そうか…そろそろこのお腹の子も幼稚園に行く時間だぞ」
「あれ、もうそんな時間ですか…早いですねぇ」

襟元から中の子を見ると『出たくな〜い!』とでも言うように、がっちりと僕のお腹に掴まっていた。

「お腹の子はまだ生まれたく無いみたいです♪」
「分娩には長時間かかりそうかな?」
「そうかもしれませんね…」

僕も、お腹の中の子が愛おしくなってしまっていて、いつまでもこうやって甘ったるい時間をずっと過ごしていたかった。

…チュッチュッ…チュッ♪

「ぁ…///」
「どうした、顔が赤いぞ?」

急にくすぐったさを感じて思わず声が出そうになり、慌てて両手で口を塞いだ。

「ぁの…お腹の子が……ん///」
「どうした…」

だって舌の使い方が克哉さんにそっくり…というかそれ以上で…。

「お…おっぱい…吸ってます///」
「お前にはまだ早い!まずは生まれてからだ!!」

克哉さんはお腹の子の足を引っ張ると、中から無理矢理引っ張り出そうとしていた。

「ん〜ιややっ!やーっ!」
「克哉さん///優しくして下さい///」

抵抗空しく、お腹にいた子は僕の足の間に顔を伏せてダラリと垂れ下がっていた。

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