《MUMEI》

携帯番号を交換してから、わたしは先輩にニッコリした。

「それじゃ、また、後でね!」

その頃には先輩は抜け殻みたいになっていて、心ここにあらずというような感じだった。


……意外に楽勝だったな〜。


ま、いっか。

これで、玉の輿への道は開けたっつーことで。


ぐふふっとこみ上げる笑いを堪えていると。


「片倉さん」


背後から声をかけられた。


振り返ると。


ものすごい形相をしたクラスの女子どもが、わたしを取り囲むようにそこにいた……………。






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